ひとことで言うと
NAT(Network Address Translation)は、社内やご家庭だけで通じるプライベートIPアドレスを、インターネット向けのグローバルIPアドレスに変換して通信を橋渡しする仕組みです。1本の回線・1つのグローバルIPアドレスを、複数の機器で共有できるようになります。
たとえ話でもう少し詳しく
NATは、マンションの管理人室に似ています。
- 各部屋の住人は、部屋番号だけで暮らしている
- 外部への発送物は、管理人室が建物の代表住所に付け替えて送り出す
- 届いた返信は、管理人室が控えを見て正しい部屋へ渡す
社内ネットワークでも同じ流れです。パソコンやスマートフォンには、それぞれ社内だけで通じるプライベートIPアドレスが割り当てられています。インターネットへ出るときは、ルーターが代表となるグローバルIPアドレスに変換して送信し、戻ってきた通信も対応表をもとに元の機器へ届けます。
よく出る場面・使いどころ
- 家庭やオフィスで複数の機器が1本の回線を共有してネットへつなぐとき
- 契約しているグローバルIPアドレスの数を節約したいとき
- 社内の機器構成を外部から見えにくくしたいとき
- 外部からNAT越しの機器へ接続できず、原因を切り分けたいとき
似た言葉との違い
- ポート番号: NATは住所(IPアドレス)を変換する仕組み。実際には多くの家庭用ルーターがポート番号も合わせて変換しており、1つのグローバルIPアドレスを複数の機器で共有できている
- VPN: VPNは通信を暗号化して届ける仕組み。NATはあくまで住所の変換と仲介が役割で、暗号化までは行わない
実務で気にするポイント
- NAT越しの機器へ外部から直接アクセスするには、ポート開放などの追加設定が要る
- 変換の対応表には上限があり、同時接続数が多すぎると通信が不安定になることがある
- 一部のオンラインゲームやビデオ通話は、NATの種類によってつながりにくくなることがある
- ネットワーク構成を変更するときは、NATの設定も合わせて見直す
注意: NATには社内のアドレスを外部から見えにくくする効果がありますが、それ自体は不正アクセスを防ぐ機能ではありません。侵入対策には、別の仕組みを組み合わせる必要があります。